最近、やっと独り暮らしを始めた。

元カレが出ていって寂しくなるのが不安だったのだがなんのことなく、むしろ部屋は広くなるし自分のペースで生活できるし部屋は綺麗なままだし、なんととても暮らしやすかった。ただの杞憂だった。

眠るときだけを除いては。

私は基本的に誰かと同じ布団で眠ることができない。
寝付くことすら困難だし、お酒をたらふく飲んで無理やり気を失っても早朝には目覚める。そのまま眠れない。

しかし元カレは5年近くの慣れもあってかよく眠れた。暖かさ、というのはとても大事だ。慣れというのは怖くて、布団が冷たいことに驚いてよく眠れなかった。自分で自分が悲しくなった。

私はもうきっとしばらく暖かい布団で眠ることはないのだ。

それはとてつもなく現実的であって、かつ冷酷な現実だった。誰かと一緒に眠れない人間が求める条件としてはとても辛いものだった。

また一から全て始める気力が1ミリも起きやしない。

帰る場所、安心する場所。

恋人のことを家と例えた。帰る場所ができた、という慣いは言い得て妙だと腑に落ちた。

帰る家を失ったときに、どんなに不安になるかということは重々承知していた。でもそうでもしないといけないほど何かが枯渇していた。顔を合わせるたび胃はキリキリ痛んだし、喧嘩ばかりだった。

帰りたくない場所にしたのは私だけだったのか。

お酒を飲んだ帰り道、やけに寂しくなってLINEの履歴を上から順に電話をかけまくった。誰ひとり出やしなくて何人か目でやめた。ふて寝をして、深酒のせいか明朝に目を醒ましたら色んな人からの不在着信があってなんだか安心した。酔っ払ってましたごめんなさい。と送りつけお酒のせいにするの、どうかなあと思いつつも水分を摂り布団に入り直したものの眠れなくて今に至る。自分がやけに煙草くさい。GW始めの深夜なんて各々誰かと一緒にいるんだろうなあ、と考えてまた寂しくなった。今年も、GWの予定がない。

朝日が救うのは夜を越えた人だけ。

やたらと心に刺さる一節を見つけて、大変よいなあと大事にしたくなった。

最近やっと心が落ち着いて、生活を取り戻した。

何をするにもやたらと心が騒めいて音楽も聴けない本も読めない、そんな日々が最近ずっと続いていた。

根がメンヘラなために心を揺さぶられるのがあまり得意ではない。情緒不安定な人間だから人との関係はうまく構築できない。

星野源のそれでも生活は続くを読んだ。

小説は辛いけど、コラムならと思ってなんとなく手を伸ばしただけだった。そこにあるのは私とおんなじ人間の生活だった。星野源って私とおんなじだった。そういえばSAKEROCK良かったよなあ、結局一回も生で拝めなかったよなあなんて思った。勿体無いことしたな。

色々あって自分の会社に昔のアルバイト先の後輩を入れることになった。とりあえず履歴書を送って、あと小論と筆記もと言い、却ってきたそれらがやたらに酷くて上司が苦笑していた。書き直しね、と言われた。私もなんだか悲しかった。こいつのこと何も知らなかった、まさかこんな馬鹿がこの世にいるとは。私の周りの人間ってみんな頭良かったんだなあ。

帰宅早々電話をかけて説教をして、自分が説教向きの人間じゃないことを知った。うまく人を怒るのって難しい。性格が悪いからか言葉の端々に棘が出る。自分にがっかりしながら深夜4時まで再修正に付き合った。まさか人に文章の書き方を教えることになるとは思わなかった。彼という人間がどんな人間だったか、やっと初めて知った。グダグタ全く関係ない話をしながら自分のこともなんとなく知らされた。頭良くても悪くても私の周りこんな人間ばっかり集まってくる。誰ひとり幸せになれないオールスターズかよ。


今年も、もはや夏フェスのアーティストが発表されていく。

OVERGROUND〜もくるのにBRAHMANくるんだとか、サカナクションも観れるの最高かよとか、今年はJOINかなとか考えて肝心な誰と行くかを忘れていた。さすがの僕でも一人フェスは厳しい。世の中は孤独な人間に冷たいなあ。