自殺した親戚の四十九日だった。

ある3連休、なんの予定もなくモツを煮込むだけの簡単な魔法で幸せになっていると法要出ない?みたいな、飲みに行かない?みたいな、軽い口調で誘われ、煮込んだモツと共に帰省への道路についた。


私が学生だった頃に、わりとクレイジーな、死にそうにもないと言われていた祖父がなぜかポックリと亡くなってから、皆追うようにポックリポックリ死んでいった(多分みんな連れてかれたのだと思う)。

そのせいで学生のわりに葬式慣れをしていた。白玉団子を作るのが異様に上手かった。白玉に上手いもクソもないって話なら聞かない。

つまり、成人してからとくにめぼしい弔問もなかった。

帰省即AOKIで、母とこっちのほうがかわいい〜♡とかなんとか話しつつ、喪服がかわいいってなんだろうと思いながらもそこにある中で一番かわいいであろう喪服を購入した。
3万円弱した。ちょっと厚手のコートが買えてしまうなあと思ったが言わなかった。

久しぶりに一堂に会した親戚は記憶の最後にあるものより頭数が減っていて、結婚したてのいとこの旦那が増えていた。

正直全然知らん自殺したおっさんの葬式に参列させられるのは地獄でしかないんじゃなかろうかと思ったし、言ったけど、当人たちは数少ない親戚に良い印象をと幸せそうにキビキビ働いていたのでまあWINWINかしら、とそっとした。

そんなこともありそろそろ世代交代だね、なんて話になってただただひたすら肩身が狭い。

彼氏と別れたことをめんどくさがり話していないがために、もうしばらく話してすらいない人間の話をされ(ex.もう付き合い長いんだから結婚じゃないー?)(やめろとっくに終わった恋愛の話をするな)ウフフーどうかなーとかいう不毛な会話を繰り広げ、ひたすら、死にたくなった。(ここでいう死にたくなった、とは便宜上の死にたくなった、だけども)

なんだかまともな人では面白みが無くて満足できない身体にされてしまっていて、ああもう結婚とか無理かもしれないなという気になる。

音楽好きにまともな奴はいないし、映画好きにもまともな奴はいないし、本をたくさん読む奴にもまともな奴はいない。私調べ。

なんだか結婚したいけど、したくないなあ。